11月らしく寒くなりましたね。 一昨日は久しぶりにちょっと遠出がかなって、カザルスホールで行われたフィルムージカ・トウキョウのコンサートへ。 こちらの首席奏者のS氏、以前参加させてもらったライアコンサートでご一緒したアマのチェリストで、ど素人の私でも大変わかりやすく指導してくださり、人柄そのままに、とても精妙にして優しく深い響きをお隣りで聴かせていただいた方。 今回はまた、パリの最気鋭の若手、モンソロのメンバーを迎えての、ピアソラとヴィヴァルディの『四季』など。 いや〜、ほんとうに素晴らしく、カッコよかった!! 「モンソロ」とは、「私のソロ」という意味で、”奏者一人ひとりがソリストでありながら、アンサンブルとして最高の調和を目指し進化していく”という願いがこめられているとのこと。 ごとく、今回の『四季』は、本来ヴァイオリンが演奏する主旋律をそれぞれの季節、ヴィオラやチェロも担うという、おそらく日本では初めての形。 中でも、チェロのセバスチャン氏は、S氏の前評判では天才のやんちゃ坊主という印象だったそうですが、演奏後、左手の全ての指に、蛸(タコ)の吸盤を思わせる直径1cmの分厚い胼胝(タコ)ができているその手を見て、楽団全員が驚嘆したほどの練習量をこなす超技巧で、圧巻!! そして艶やかで、しなやかに広がる音色。ヴィヴァルディの「冬」でS氏と奏でた、春への希望を感じる旋律は味わい深かったです。 個人的には特に、ヴィオラのデュランテール氏の演奏(特にピアソラ)が、何と言ったらいいか・・自然界あるがままに包まれているような、もしかして作曲者が感得した霊感そのままに、俯瞰的で、優しく、懐(ふところ)深く感じ、惹かれた。 モンソロメンバーひとりひとりのシャープで豊かな超技巧もさることながら、抑制の効いた情熱が実にカッコよく、心湧きたたせる弦楽合奏の醍醐味が席巻、まさに”快演”。 ちょっとコッパズカしい表現をしてしまうと(笑)・・・ピアソラの、ヴィヴァルディの、抒情と叙事が、色鮮やかな音色の綾となって、シンメトリーな蝶の羽のように舞う・・・コンサート全体がそんな形態を創り上げていたように感じる。 アンコールのピアソラの『夏』では、最高潮に・・・。 興奮気味なのか、饒舌になってしまいました。 久しぶりに五感のオーバーホールに。 このような素晴らしい機会をくださったS氏に深謝☆ *今回の音源はこちらで聴けます。 *写真は10月に撮った誕生日の夕日。
by mahaalmaharik
| 2009-11-18 19:14
| 集い
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