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やわらかきものへ降りてくる音

日曜日、ライアのコンサートを無事終えることができました。

大事な日の前後はいろいろ重なるもので、
正直、心身ともに余裕がなく当日を迎えたので、本当にほっとしている。

藝術は、作品と、演ずる者と、聴いてくださる方との
「間(あい)」「空(くう)」の中に自由に生まれるものだと感じている。

今回は、聴いてくださる方の姿勢の質の高さにとても助けられた演奏会だった。
特におはなしでは、その「間」に澄んだ一瞬をみた気が...。

その後、表現について、少し考えています。

藝術は
太古の昔から
儀式・奉納という形で
人間が神様に捧げて来たもの...ともいう。

この10年は、その深遠の入り口を探るような思いも抱きつつ
実際に、バリ島の寺院や、能楽堂、子どもたちとの舞台上で
それを体験する機会に恵まれた。

オイリュトミーに、Lighten Form(光のフォルム)がある。

天上から降りて来た「真実」(Iの音)を受け
この地上で「美」(Aの音)として行い
再び天上へ「善」(Oの音)として返す。

人間がこの世に生を受けた意味を深く問う、ある真実だと思う。


真直ぐにすうっと立ち上がってくる「自己の中心(中庸)の力」と
「心身(魂)のやわらかさ」は永遠の課題だが、
それが整った瞬間、降りて来る音があるのかもしれない。

今回の私の演奏はもちろん、そんな理想とは遥か遥かに遠く、
それどころか、実は前日までの仕事で筋肉痛、おまけに冷房の寒さと緊張で最初指が動かなくなってしまい慌てた...と身の丈相当なのでした。

以前、言葉の舞台に立たせてもらった時は、ぎゅ〜っと収縮した力を、言葉にのせて拡散する呼吸やリズム・身体の使い方が可能だった気がする。
音楽(ライア)は心身がやわらかくなって初めて音を迎えられるのを実感。
言葉や音楽の違いというより、作品を自分を通して表現するのか自我をしっかり意識して表現するのかの違いだろうか。
いずれにしろ、力まないように...準備が大切。よい体験でした。

そのほかの様々な藝術はもちろん
香りの世界も、施術の仕事(整体やボディーワーク)も、
日々の暮らしも、同じ表現...「アート」なのだろう。
アロマアートの先生は「オイルマッサージは祈り」だという。


おはなしの『くもの糸』(芥川龍之介)は素晴らしかった。
作品が放つ言葉の美しさはもちろんなのだが、
語りの近藤先生が、開演直前に、すうっと立ち上がった姿は
ほんとうにお釈迦様のように美しかった。
言葉の響きのもつ力に改めて感じ入った。

このおはなしは、最後の「極楽のお釈迦様の様子」に全てが集約されている。
作品に添えられた演奏は末松さんが作曲された。

OAM SRI SAMA SAMPURUNA YA NAMAH SUWAHA

サンスクリット語のマントラを探っていって、浮かんだ音を楽譜にしたそうです。
このマントラは、唯一、言語造形のクラスで私も教えてもらった。

「すべてが、すぐれて、すばらしく、されるように(完全なるように)」

善も悪もすべての世界が在るように在るのだろうか...
美しくあるように...この時代、そう祈らずにはいられない。
外の世界が自分の内の世界の写し絵であるとするならば、
自分自身への問いかけから始まる。

表現は、自分の心の闇を見つめることでもある。
けっこうきつい。なかなか手強い。でも楽しい♪

まずは日常から?...そう、自分をふり返ると、とても恥ずかしい。
地に足をつけて、目の前のことをひとつひとつ...ですね。
ぼちぼちいきましょ...
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by mahaalmaharik | 2006-06-28 07:43 | 集い

らせんの衝動〜クチナシ

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クチナシが咲きはじめました。

白い六枚の花弁が、いま、螺旋(らせん)に開放してゆく衝動…


甘い濃厚な香りのガーデニア精油は(Gardenia jasminoides種)はオリエンタル調の香水に使われているそうです。
バリ島では「JEMPIRINGジェムピリン」。植物に詳しいお父さんが教えてくれた。バリの暑い空気の中ではやはりこの芳香はいっそう甘く感じられる。

熟した果実、漢方では「山梔子(さんしし)」は、お正月用の栗きんとんを作る時に初めて知ったが、ずっと治らない捻挫の後遺症に困っていた時、卓効があったのでびっくりしたことがある。

クチナシの粉(さんしし末:漢方薬局にある) 茶さじ山2杯
卵白                    1個分
小麦粉                   茶さじ山2杯
をよくねって、紙にのばしてその上にガーゼををのせて包み、貼り、乾いたら取り替える。(『家庭でできる自然療法』東条百合子より)

その湿布を当てたうちの、たぶん捻挫で残った古い鬱血のあるところだけが鮮やかな黄色からこげ茶色に変わった。
3回ほど貼り直したら、それが段々と薄くなり、足首がとても軽くなった。
昔ながらの智恵に感謝。


朝みたクチナシ...夜、帰宅する頃にはもう咲ききっていて、小さな蟻が甘い蜜をもらいに列をなす。
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by mahaalmaharik | 2006-06-21 11:31 | アロマな暮らし

十六歳のファルセット

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裏声のことを「ファルセット」というそうだ。
歌手が地声で出せる最高音域より高い声を出そうとする時、くるりと声質を変えてファルセットで歌う。

繊細で微妙な響き。

先日、今度7月に公演する舞台の稽古に参列した。
2月に公演された同じ宮澤賢治の作品から採った喜劇の舞台では、「オオサンショウウオのじいさん」を演じていた地声の彼女。
みんなと一緒に歌を合わせていた時、そのファルセットの響きに稽古場が静まった。
澄みきった青空に響いて来るような、真直ぐで、純粋な高音。
彼女の歌声には空気を変える力があると直感した。

才能が顕われたその瞬間を演出家は逃さない。
彼女にひとりで歌わせる。
歌の挿入、台本も書き換えられる。
今迄も、何度もこのような瞬間に立ち合った。
ひとりひとりの子どもがもつ本来の才能を表現する...それが藝術治療教育としての舞台のあり方なのだろう。

こうして賢治の作品に一貫して流れる、繊細さ、純粋さ、深遠さ...を16歳の歌声もまた乗せてゆく。
それぞれの子どもたちが、こうして作り上げる舞台が楽しみです。
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by mahaalmaharik | 2006-06-13 07:16 | 子ども

白十字星

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わたしのドグダミのイメージはあまり良くなかった。
薄暗いところで広がる、母の子どもの頃の話、草刈りをする時この匂いが苦手だったことなどから。

誰かが短歌で「白十字星」と詠んでいた。
言葉には力がある。
様々な薬効があることも知った。

雨上がりの朝、輝きをます白さ。
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by mahaalmaharik | 2006-06-12 20:40 | 自然観察

紫陽花の色々

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梅雨入り。
アジサイが咲きはじめた。

雨の中、花色の濃淡にひかれて思わず借景。
子どもの頃からこの色合いが好きで、刺繍やフェルトで不器用に作ったことがある。
緑色からの変容も見事。
一株のアジサイから、なぜこんな多様な色彩が生まれるのか、気になります。

マイミクの京香さんのブログに触発され、アジサイの色についてちょっと知りたくなりました。
http://homepage1.nifty.com/seihotei/photo/ajisai.htm

アジサイの持つ「アントシアニン色素」(そういえば、一時期ブルーベリーの健康ブームでよく言われていた)と「補色」、それに土の中の「アルミニウム」の具合によってだそうです。
三上杏平先生の「植物の化学」講座の資料を見ると、アルミニウムの他に鉄も関係するとか...。

最近、惑星と鉱物についての話もよく目にする。
地中の鉱物(ミネラル)を通して植物・動物・人間に働きかける星の力。
鉄は火星、アルミニウムと関係のある惑星は?...わかりませんでした。
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by mahaalmaharik | 2006-06-12 19:09 | 自然観察

オニグルミ

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多摩川の河原に降りると、都内でも野生を感じられる。

夏草は背丈を越える勢い。

オニグルミの木も点々と立つ。
ちょうど一ヶ月前に赤い花をつけていた雄株に実がなっていました。
秋がちょっと楽しみです。

何年か前、夜遅く家路を歩いていたら、タヌキとどっきり遭遇したことがある。
昼の間は多摩川の葦(よし)の林の中にいて、夜、畑や人家の食べ物を採りにくるらしい。
最近はあのタヌキの親子はどこへやら...
世田谷の秘境だったここ喜多見や宇奈根も、次々と畑がマンションに変わってしまったなあ。
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by mahaalmaharik | 2006-06-09 07:28 | 自然観察

故郷(ふるさと)

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ライアは響きあう楽器だ。
今日、改めてそのことを実感した。

世田谷の船橋にある有料老人ホームへ、詩の朗唱とライアのコンサートをさせていただきに訪ねた。
車が混んで慌ただしく到着した私たちは背後から入場したのだが、その静けさに息をのんだ。
集まったホームの方々の心の中にはざわめきがない。静かに閉じているのかもしれない。まるで山奥の湖面を分け入るような気持ちになった。

長い人生を歩まれた方々へのささやかな贈りものは...

  夏の思い出 ほたる 浜辺のうた 
    朗唱「春の朝」(ロバート・ブラウニング 上田 敏 訳)
  バッハのメヌエット グリーンスリーブス
    朗唱「山のあなた」(カール・ブッセ 上田 敏 訳)
  ふるさと 荒城の月 夕やけ小やけ

「山のあなた」から「ふるさと」を奏ではじめると、歌を口ずさみ始められた。
ライアの響きに呼応するようにとても静かに。
胸にとても迫るものがあって、こちらも自然にひとつひとつ音を大事に届けようとする。感傷的になってはいけない...と思うのだが、これは聴いている方々の「想い」のような気がしてきて、そのまま音としてまた届けようと思い直した。

さざ波立った一瞬はすぐに止む。

凛とした心持ちで、ただただ頭(こうべ)を垂れて、おいとまする。
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by mahaalmaharik | 2006-06-04 20:46 | 集い